みなさんこんにちは、
もう先週の話になりますが、第40回日本臨床矯正歯科医会大会に2日間参加してまいりました。
今回は第40回記念大会になり、東京は学術総合センターにて例年よりも多くの学術展示や症例発表があり、現日本歯科医師会会長の講演などもありました。
今回私が特に気になったのは、2日目に行われた「会員アンケートに基づく抜歯非抜歯のコンセンサス」という臨床セミナーです。
最近ネットや都内の電車広告で多くの「抜かずに治す矯正治療」というバナーや看板広告を見かけます。
もちろん患者さんは誰しも歯を抜かずにきれいに治ればそれがベストだと思いますし、私も診断を立てる上で、できるだけ歯を抜かずに治療できる方向で考えていいこうと思っています。
しかしその一方でどうしても歯を抜かなければ治らないケースもあり、そのケースを無理やり抜かずに治療すると仕上がりが出っ歯に見えたり、歯の後戻りを引き起こしたり、歯の寿命に影響を及ぼしたりします。
どのように並べれば患者さんにとってベストなのかを考えるのが診断ですから、必要とあれば私も抜歯を選択しますし、非抜歯で100パーセント治せるとは思っておりませんし、何のための診断かわからなくなってしまいます。
この会の会員の先生方は知識も経験も豊富な先生ばかりですので、アンケート結果もほぼ全員の先生が私と同意見でした。
セミナーの最後に当会のコンセンサスとして「矯正歯科治療には抜歯が必要な症例がそんざいする」との宣言があり、セミナーは終了しました。
今後はこのコンセンサスにのっとって矯正歯科治療の正しい知識の啓蒙が行われていくことになるのだと思います。
とてもいいことだと思います。