皆さんこんにちは、栃木県宇都宮市にあります「おだいら矯正歯科」院長のおだいらです。
たまには矯正歯科治療のことも書きましょう!
今回は表題にあります、歯数の異常(先天欠如歯)についてです。
不正咬合の原因の一つとして歯数の異常があります。
歯の本数は永久歯の場合上下とも14本ずつ、合計28本です。(親知らずは除く)
その永久歯が足りないのが先天欠如、また余分な歯があるのが過剰歯です。
1回の記事で両方書こうと思いましたが文量が多いので、先天欠如歯と過剰歯分けて記事にしたいと思います。
先天欠如歯は下顎前歯、上顎側切歯(前から数えて2番目の歯)、小臼歯などの部位で発生しやすく、まれに大臼歯などでも起こることがあります。
当医院に初診でいらっしゃる方は7、8歳の子が一番多いのですが、その時点でレントゲンを撮影してみて永久歯が見当たらない場合、100パーセントに近い確率で永久歯先天欠如が疑われます。
では永久歯が足りない場合、何が問題になるかですが
1.歯は上下の本数がそれっているから上と下の歯が交互にかみ合うのですが、上と下の本数が違うとかみ合わせがずれてしまします。
2.左右の本数が違うと歯の中心線がずれて左右非対称になります。
3.歯が足りない分、すき間が空いてすきっ歯になることがあります。
4,足りない部分の両隣の歯がその隙間に倒れてきて、さらにかみ合わせが悪くなってしまいます。
このような様々な問題を引き起こすため、矯正歯科治療が必要になることが多いです。
それでは矯正歯科治療はどのような治療をするかですが、治療方法は大きく分けて2通り考えられます。要は足りたいところに歯を増やすか、足りないところに合わせて他の歯を抜くかです。
永久歯の生え替わりが終わった後にすき間がまばらにある場合は、矯正装置によって1カ所(主に歯が足りない部分)にすき間をまとめます。
まとめた場所に将来一般歯科さんでブリッジやインプラントを入れてもらい上下左右の本数を合わせるというのが人工歯を増やす方法です。
もう一つの方法ですが、1本1本の歯のサイズが大きくて歯が足りないにもかかわらず、でこぼこやいわゆる出っ歯がある場合は、例えば左下の永久歯が1本足りない場合、そこに合わせて右下、右上左上の永久歯を抜去して、そのすき間を利用してでこぼこを並べたり、前歯を引っ込めたりする方法をとります。
矯正歯科治療は永久歯を抜いて、そのすき間を利用して治療することが良くありますが、その場合上下左右対称に4本抜くのが一般的です。元々歯が足りないわけですから、足りないところ以外の3本抜いて治療すると言うことです。
どちらの方法になるかは歯の大きさ、顎の大きさ、足りない歯の場所などによって決まります。
そしてもう一つ大事な事は、永久歯が何本足りないかによっても診断は変わります。
足りない歯が1本とは限りませんので、何本足りないのかを確認した上で治療計画を立てます。
おだいら矯正歯科にも1本、2本だけではなく、4本、5本、6本、7本と足りない方はいらっしゃいます。のでそれに対応した治療計画が必要になります。
最後に数年前から、もし永久歯が6本以上足りない場合は、矯正歯科治療が保険適用になりました。
6本足りない患者さんはそうはいないですが(汗)
だらだらと書きましたが、もしご心配がありましたら最寄りの矯正歯科で診てもらうとよいでしょう!
例1:向かって左上5番目、右上2番目、下の両側2番目、右下一番奥の合計5本永久歯が足りない場合
例2:上の両側4番目と5番目、下の両側5番目の合計6本永久歯が足りない場合
例3:小臼歯という歯は上下左右2本ずつの合計8本ありますが、そのうちの7本が足りない場合