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院長ブログ

2020.09.01
治療について

マウスピース型矯正(インビザライン等)についての当院での考え方


皆さんこんにちは、栃木県宇都宮市にあります「おだいら矯正歯科」院長のおだいらです。

さて、先日よく患者さんをご紹介いただいている一般歯科の先生からこんなご依頼がありました。

「最近マウスピース矯正治療(インビザライン)をやってますみたいな広告が、新聞の折り込みチラシとかに入っているんで、それを見た患者さんから先生のところに紹介するときによく『そこではマウスピース矯正をやっていますか?』とか『その先生のところの治療とマウスピース矯正の違いは何ですか?』とかよく聞かれるんだよねー。その時にどう説明したらいいかわかんないんで、先生、何かわかりやすい資料を作ってくんない?」

とのことです。

確かにまったく矯正をやらない先生はもちろん、矯正歯科をメインにやっていない先生のほとんどはどう答えていいのかわからないのが実情だと思います。

そこで、その先生には以下の資料をお送りしました。


マウスピース型矯正装置(インビザライン)とマルチブラケット装置について

1.マウスピース型矯正装置(インビザライン)とは

患者の歯型の模型やデジタルデータを技工所に送り、そこで作製された厚さ0.5mm程度の透明なマウスピースを一日約20時間以上お口の中に装着し、歯の移動に伴い数種類のマウスピースを順次使用して歯並びを整える装置です。

厚生労働省の見解では、マウスピース型矯正装置は国内外で製作されたものを問わず日本国の薬機法(旧薬事法)上の医療機器には該当せず、医薬品副作用被害救済制度の対象外とのことです。診療にあたっては、「歯科医師が患者への十分な情報提供を行ったうえで患者の理解と同意を得ることを遵守し、歯科医師の全面的な責任の下で使用されたい。」との指示が出されています。(日本矯正歯科学会HPより一部改変)

2.マウスピース型矯正装置のメリット・デメリット

?マルチブラケット装置との比較―
マウスピース型矯正装置のメリットとデメリットを、現在の矯正歯科治療の装置として最も普及し、また、治療効果が優れている「マルチブラケット装置」と比較してみます。

【メリット】
・見た目が目立たない。※但し舌側矯正(裏側矯正)よりは多少目立ちます
・金属アレルギーなどの理由でマルチブラケット装置が使えない患者にも使用可能。
・必要に応じて患者自身で取り外すことができ、口腔清掃が容易である。

【デメリット】
・治療が患者の自己管理に委ねられているため予期しない結果が生じることがある。
・歯の移動の限界があるため治せない症状がある。

 

 

3.危惧されること

マウスピース型矯正装置は患者の使用状況に治療結果が大きくが委ねられ、また、歯の移動範囲も限られていることから、予想外の治療経過をたどることや、目標とした治療結果が得られないことがあります。そのようなときには代替の治療法としてマルチブラケット装置によるリカバーが必要となるため、マルチブラケット装置による治療技術を習得した歯科医師によって治療がなされなければなりません。

近年、矯正歯科医を介さずに本装置を使用するビジネスモデルが提案され、矯正歯科治療の技術を習得していない歯科医師による治療例が急激に増えています。

矯正歯科治療はその結果がでるまでに年単位の期間がかかるため、不適切な治療によるトラブルが顕在化するまでしばらく時間はかかるかもしれませんが、既にそのような兆候がみられ、今後数年の間に激増することが危惧されます。

4.マウスピース型矯正装置に対する見解

(1)マウスピース型矯正装置には推奨されない不正咬合があります。
マウスピース型矯正装置は1990年代に開発され、その安全性と有効性は科学的に高いレベルで明らかにされてはいません。また、歯の移動にも限界があるため適応症を見極めることのできる矯正歯科医による治療が必要です。

(2)治療のゴールはマルチブラケット装置と同等でなければならない。
矯正歯科治療は健康になるための医療です。そのためマウスピース型矯正装置でも従来のマルチブラケット装置でも治療のゴールが変わるべきではありません。したがって治療を行う歯科医師にはマルチブラケット装置による治療のゴールを設定できる技能が求められます。

(3)マウスピース型矯正装置を使用する歯科医師は、マルチブラケット装置による治療技術を習得していることが不可欠である。
本装置による治療を始めた後、何らかの理由で使えないとき、また予定した効果が出ないときには別の装置でリカバーしなければなりません。そのためには、マルチブラケット装置によって適切に治す必要があります。たとえ患者と歯科医師の間で本装置による治療結果は保証されるものではないとの同意を得ていても、代替装置で良い結果が得られる場合はその治療を提案し行うことは医師として当然の責務です。

(4)矯正歯科治療が適切に行われる治療環境が不可欠である。
すべての矯正歯科治療に言えることが、マウスピース型矯正装置を使用する際にも当てはまります。すなわち歯科医師個人の技量だけではなくその技量を発揮できる環境で治療が行われなければなりません。


これはほとんど私が加入している日本臨床矯正歯科医会のホームページからの抜粋なのですが、これが一番私の考え方と合っているので、そこから微修正したものをお送りしました。

結局おだいら矯正歯科でマウスピース矯正(インビザライン)をほとんどやらない理由は、自分が設定した治療のゴールにたどり着けないと判断することがほとんどだからですかね。

もちろん、それが得意な先生は治せるのでしょうが、私は自分が求めている咬合にこの装置で治しきる自信がないので使用しておりません。

一応インビザラインドクターではあるのですが(汗)

マウスピース矯正(インビザライン)をご希望の患者さんは、申し訳ありませんがおだいら矯正歯科では現在のところやっておりませんので、マウスピース矯正の信頼性のある先生をお探しください(汗)

 

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